作る前に決めて、作ったあとに確かめる ― npx で Baton → AI → Aegis
AI にアプリを作ってもらう前に決めることを決め、できたものを確かめる。Kokoro OS の npx の道具を 2 本使う、いちばん基本の流れです。
- Posted
- 2026.10.27
AI(Claude Code など)にアプリを作ってもらうと、頼んでいないことまで AI が勝手に決めてしまいます。データをどこに残すか、空のときに何を出すか、消すときに確かめるか ―― 作ってから気づくと、直すのに手間がかかります。
この記事では、Kokoro OS の npx の道具を 2 本使って、次の流れで作ります。
- 決める ―
kokoro-batonが、まだ決まっていないことを選択肢で聞き、AI に渡す指示書を作ります - 作る ― その指示書を AI に渡して作ってもらいます
- 確かめる ―
kokoro-aegisが、決めたとおりにできているかを確かめる表を作ります
道具は入れる手間がありません。npx で動きます。無料・登録なしです。
流れは、1 分 20 秒ほどの動画でも見られます。
用意するもの
- Node.js 22 以上(nodejs.org から入れられます)
- アプリを作ってくれる AI(Claude Code など)
- Anthropic の API キー(Baton だけが使います。Aegis は AI を使いません)
API キーの入れ方
Baton は、あなたの Anthropic の API キーで動きます。AI の費用はそのキーに付き、1 回の問いあたり 1 円未満です。Kokoro OS は料金をいただきません。
キーは、パソコンの環境変数 ANTHROPIC_API_KEY に一度だけ入れておきます。
- Windows:設定で「環境変数」と検索 →「アカウントの環境変数を編集」→ 新規で、名前に
ANTHROPIC_API_KEY、値にキーを入れる - Mac:
~/.zshrcにexport ANTHROPIC_API_KEY=キーの 1 行を足す
入れたあとは、ターミナルと AI の道具を開き直してください。
キーを AI との会話に貼らないでください。 会話の記録に残ります。
1. 決める ― kokoro-baton
作りたいアプリのための、空のフォルダを作ります。そのフォルダでターミナルを開き、作りたいものを一言で書いて動かします。
npx kokoro-baton "英単語を覚えるカードを作りたい"
Baton が、まだ決まっていないことを聞いてきます。聞き方は、自由に書く問いではなく、選ぶとどうなるかつきの選択肢です。
- 保存のしかた(閉じても残すか、その場かぎりか)
- 空のときに何を出すか
- 消すときに確かめるか
- 何件くらい扱うか
答え終わると、同じフォルダに kokoro-spec.md(指示書)ができます。中には次のものが入っています。
- 決めたこと(いちばん大事なものと、あとで作るもの)
- まだ決めていないこと(AI に勝手に決めさせないため)
- 先に確かめたほうがいい組み合わせ
- 決めたことごとの確かめ方
この問いは、あなたが答えるものです。 AI に Baton を動かしてもらうと、AI が代わりに答えてしまいます。ここだけは自分のターミナルで動かしてください。
2. 作る ― AI に指示書を渡す
同じフォルダで AI を開き、こう頼みます。
kokoro-spec.md を読んで、そのとおりに作ってください。
指示書には、AI への頼みも書いてあります。
- 「できたと言う前に」 ― 作り終えたと言う前に、AI が自分で確かめること
- 「作り終わったら」 ― 作り終えたあとに、AI が確かめの道具を動かすこと
「作り終わったら」の節で、AI はまず AI を使わない確かめ(Aegis と、調整する数の表)を動かします。費用はかかりません。
そのあと、AI を使う書類づくり(人が読む仕様書・コードの見直しなど)について、AI が 費用を言ってから、動かしてよいかを聞いてきます。合わせて 300〜400 円ほどの見込みです。この記事の流れでは要らないので、「今回は動かさなくていいです」と答えてかまいません。
3. 確かめる ― kokoro-aegis
AI が動かしていれば、フォルダに aegis-report.md ができています。自分で動かすときは、フォルダでこう打ちます。
npx kokoro-aegis . --out aegis-report.md
AI に頼むこともできます。
このフォルダで npx kokoro-aegis . --out aegis-report.md を実行して、出てきた表を見せてください。
Aegis は AI を使わず、コードをどこにも送りません。 紙には 2 つのものが入ります。
- 読んで見つけた穴 ― コードを読んで、よくある間違いを探します
- 手で確かめる表 ― 指示書で決めたことが 1 行ずつ並びます。アプリを動かしながら、決めたとおりかを 1 行ずつ確かめてください
0 件は「問題なし」ではありません。 紙には、調べていないことも必ず書いてあります。
直したら
確かめて違っていたところは、AI に伝えて直してもらいます。直したら、もう一度 Aegis を動かして、表を確かめ直してください。
もう仕様を書いてあるなら
自分で書いた仕様があるなら、Baton で抜けを調べられます。
npx kokoro-baton gaps 仕様のファイル.md
どのアプリでも決めておくべき 5 つ(保存場所・並び順・空や変な入力・消すときの確認・選べる項目の中身を誰が決めるか)に、その仕様が答えているかを見ます。こちらは AI に頼んでも動かせます。
次に読む
- 道具 8 本を全部つないだ詳しい流れと、作例のゲーム「のこれ!」のダウンロード:決めてから、作り終わるまで
- ターミナルを使わずに画面で決めたいときは、Kokoro OS の Baton・Builder・Aegis を使えます。
- 道具の一覧と英語の説明:GitHub
使ってよい範囲:PolyForm Shield 1.0.0。仕事でも商売でも自由に使えます。この道具と競合する製品を作るために使うことはできません。
